マンテルガイストマン!

タイトルだけは昔から知ってる名作を読んでみようシリーズ・そのいち

アルフレッド・ベスター『虎よ、虎よ!』

主人公「ガリヴァー・フォイル」は復讐鬼である!
事故により宇宙空間で遭難し、救助を待つ身だった彼は
ようやく現れた仲間の宇宙船に何故か見捨てられてしまった!
その瞬間、平凡でぼんくらだった彼の精神は死に、悪鬼羅刹の復讐鬼に変貌したのだ!
あといろいろあって改造人間になったりもしたのだ!(あらすじここまで)


初出は1956年、半世紀も前の作品なのに古臭さなど微塵も感じずに熱読できました。
ジョウント』と呼ばれるテレポーテーションが世界の常識となった25世紀の物語。
プロローグで語られる、この『ジョウント誕生物語』が適度に狂ってて素敵。
いつの時代も科学者はマッドな存在ですわい。


いろんな作家や漫画家さんに多大な影響を与えた作品と聞いてはいましたが、
本当に石ノ森章太郎センセはこの作品が大好きだったんだろうなぁとしみじみ。
舌で加速装置のスイッチ押すなんてド直球ですよ本当。
最近では仮面ライダーカブトでも『ジョウント効果』って名前だけ設定引用されてましたね。


終盤の怒涛の展開は文字のフォントも含めて本当に怒涛。
落ちはさっくりした印象だったが、いやはや楽しめた、面白かった。

ちなみにタイトルを初めて知ったのは『GS美神』でタイガー寅吉が初登場する
「虎よ、虎よ!!」だったりする。
タイトルがSFからの引用だと知るまで数年かかるけれど。


次回予定→フィリップ・K・ディックアンドロイドは電気羊の夢を見るか?
予定だよ!